うわさどおり、Googleが米国26日に開催した発表会で、NFCを使ったモバイル決済サービス Google Walletを発表しました。Nexus SなどNFCを搭載したAndroid端末でタッチによる決済ができるという、名実ともにGoogle版「おサイフ」サービスです。おさらいするとNFC(Near Field Communication)は名前どおりの近距離無線技術で、日本の「おサイフ」標準技術であるFeliCaから見れば上位の規格になります。
Google Walletの大きな特長は、マスターカードの非接触決済サービス PayPass を利用すること。日本でも「おサイフ」サービスの乱立により、一台のレジに複数のリーダーが接続されているようなことがありますが、店側がPayPassに対応していれば、原則としてGoogle Wallet導入によりまた新しいリーダーやレジが必要になるということはありません。現在のPayPass対応店舗は全世界で30万以上、米国では10万以上。PayPass導入店がそのままGoogle Walletを採用するとは限りませんが、イチからネットワークを作り直す必要がないのは普及にとって大きな弾みになりそうです。なお、Google Wallet決済による特別な手数料などはなし。クーポンサービス Google Offersとの連携も重要なポイントです。
店舗パートナーはこんな感じ。日本でもお馴染みのサブウェイやトイザらスなど。Google Walletサービス自体も、Google単体での取り組みではなく、クレジット大手のマスターカード、シティバンク、顧客情報の管理を行うFirstData、そしてNexus S 4Gを取り扱うSprintとの共同プロジェクトであることが強く打ち出されています。もちろん「誰とでも連携していくつもりである」と言うとおり、各種パートナーは今後も拡大させていく計画で、iPhone版やBlackBerry版の実現も否定していませんでした。例によってパートナー向けには「消費者の選択と安全性を損わない範囲で」オープンにAPIを公開していく予定です。