googleがひっそりと始めたミュージックチャート、YouTube100に迫る。

MTV懐かしいなぁ

ちょっと注目




今週googleは、YouTube100と呼ばれるミュージックチャートのサービスを始めました。
比較的ひっそりと始まったこのサービス。ミュージックビデオを1位から100位までのチャートにするというもので、特に斬新だとは思わない方も多いかもしれません。
しかし、ミュージックビデオ界の未来のことを考えたら、YouTube100の持つ影響は大きいと思いますよ。

YouTube100はミュージックビデオをリスト化するだけではありません。YouTube100でリスト化された曲を順番に聞く事もできるようになっています。
このサービスによって、ネットで音楽を聞くという事が、個人が勝手にビデオを探して聞くというパーソナルな体験から、より大勢の人と共有された体験となります。YouTube100はかつてのMTVのような存在になるでしょう。
MTVがTRL(トータルリクエストライブ)の放送をやめてから、ミュージックビデオ界は事実上死んでしまったも同然でした。
ミュージックビデオというコンテンツ自体はあるものの、みんなが着目しないので、チープな作りのミュージックビデオばかりになってしまったのです。

ミュージックビデオの制作費が数百ドルの時代は去り、ミュージックビデオがアーティストが曲を発表する重大な物であるという意識も失われました。最近のアーティストはミュージックビデオ、ごくあっさりとYouTubeに投稿したりします。
30ー60分のミュージックビデオランキングをほぼ強制的に見せられるという機会もなくなりました。
その代わり、私たちは友人がe-mailでオススメしてくれた動画をチェックするのです。

しかし、このまま低迷すると思われていたミュージックビデオ界に最近何かが起こっています。アーティストやレーベルがネット上にどうやってマーケットを構築すればいいかという事を発見し始めたのです。(たとえまだ、ネット上のマーケットでお金を稼ぐ方法は発見できていないとしても。)
ミュージックビデオは再びアーティスティックな物に回帰してきており、注目を集めるものとなっています。
おそらくカニエ・ウェストのRunawayを見た方ならうなずいてもらえるのではないかと思います。
ミュージックビデオは再び、時間とお金をかけて制作されるべきものとなってきており、ネットの世界を楽しくしてくれています。
最近のビヨンセ、レディガガ、カニエ・ウェストのもの等はTVで放送することのできるレベルのビデオです。














問題はこれらのビデオをまとめる場所がないということでした。
MTVはMTV Hiveというサイトを持っていますが、テレビの時のようにみんなが利用するというコンテンツではありません。
Vimeoは思いも寄らなかった素晴らしい動画を見つけるには面白いサイトですが、あまりにもニッチでメインストリームからは離れています。
そしてYouTubeはなんらかの秩序を形成するにはあまりにも混沌としています。
そこに登場したのがYouTube100です。
これはミュージックビデオを見るための場として機能しますし、これによってミュージックビデオへの注目がより高まると思います。
もちろんVEVOがうるさい広告だらけにしなければ、ですが。


とりあえずtop20を見てみたのですが、中学生くらいのころ、洋楽がカッコイイと思ってMTVを見ていた頃を思い出しました。選択が重視されていたネットの世界でマスメディア的サービスが始まったのは興味深いです。


Adrian Covert(原文/mio)








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